リサーチ・アイ No.2026-011 原油高がもたらす共和党への逆風―インフレの負担は低中所得層に集中、選挙への影響も― 2026年05月08日 森田一至中東情勢の緊迫化が続くなか、4月以降も原油価格は高止まり。足元の原油高(4月のWTI原油先物価格:前年比+59%)に伴うエネルギー価格上昇を通じた物価および消費へのインパクトを試算すると、PCEデフレーターは前年比で+1.2%ポイント押し上げられ、実質個人消費は同▲0.9%ポイント押し下げられる見込み。こうした実質購買力への下押し圧力は、低中所得層で特に大きくなる公算。低中所得層は、高所得層に比べて支出全体に占めるエネルギー関連品目の割合が大きく、原油高に伴うエネルギー価格の上昇が購買力を押し下げる圧力が相対的に大。原油高が、所得格差を一段と拡大させる構図。これを踏まえると、原油高は11月の中間選挙において共和党に逆風となる公算大。2024年の議会選挙においては、高所得層では多くの有権者が民主党を支持した一方、数で勝る低中所得層では有権者の多くが共和党を支持しており、今次の原油高で共和党支持層が被る打撃は相対的に大。原油高による不満の高まりが、現在の支持基盤である低中所得層の離反を招いた場合、共和党は現時点で劣勢の下院に加えて、上院でも多数派を失う可能性も。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)