リサーチ・アイ No.2026-009 2025年の合計特殊出生率は1.13前後、一部の県では上昇も 2026年04月23日 藤波匠厚生省の人口動態統計をもとに、2025年の日本人の出生数を試算すると、前年比▲2.2%減の67.1万人となる見通し。完全な下げ止まりには至っていないものの、2016年以降続いていた年率▲4.2%の急減と呼べる状況からは脱することになる。出生数の減少のペースが鈍化したことにより、2025年の合計特殊出生率は1.13と、前年の1.15からわずかな低下にとどまる見通し。なお、端数処理の関係で、今後予定されている厚生労働省からの公式発表では1.14となる可能性もある。どちらにしても、コロナ禍以降続いていた急落と呼べる状況は脱する可能性大。出生数や合計特殊出生率の低下のペースが鈍化する背景に、コロナ禍で急減した婚姻数が2023年を底にわずかながら回復傾向にあることが指摘可能。2025年の日本人の婚姻数は、2023年の47.5万組を底に2年連続の微増となる48.9万組程度の見通し。足元で婚姻数が微増傾向にあるのは、コロナ禍で結婚を見送っていた人たちが結婚をしていることや、30歳前後の人口がここ数年は横ばいにあること、などが影響。後者は、1990年代の年間出生数が、おおむね120万人で安定していたことによる。ただし、この若年人口の安定は期間限定であり、それによる出生数の押上げ効果は遅くとも2030年には剥落する。なお、2025年の出生数が増加に転じる可能性の高い東京都を含むいくつかの県や、若年人口の県外流出により、母数となる15~49歳の女性人口の減少が進行している県では、2025年の合計特殊出生率が横ばいから上昇に転じる可能性がある。ただし、これも婚姻数の増加による一時的な押上げ効果によるものと考えられ、近い将来、再び少子化傾向が再加速することが懸念される。国・地方自治体には、今後も若い世代が安心して産み・育てられる環境の整備に注力することが求められる。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)