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リサーチ・アイ No.2025-160

貿易構成の変化による中国統計への影響 ― 国際収支統計と通関統計の差異縮小によるGDPの押し上げ効果に要留意 ―

2026年03月31日 室元翔太


中国では輸出構成が大きく変化。米国の関税措置を受けてスマホやノートPCなどの輸出が減少した一方、半導体不足を背景にメモリの輸出が大幅に増加。アジアや欧州への低価格品、EV、リチウム電池などの輸出も拡大。

輸出構成の変化は、OEM(相手先ブランド製造)からOBM(自社ブランド製造)への変化を示唆。昨年、輸出を大きく減らしたスマホやノートPCは、外資の世界的なブランドの製品を中国で加工・組み立てする構図。一方、半導体国産化の方針のもとで中国資本のメモリ企業が生産能力を増強してきたほか、ほかの輸出増加品目も主要なプレイヤーは中資メーカー。

こうした動きが、通関統計と国際収支統計(GDP作成に使用)との差を縮小させた可能性。両統計における純輸出の差2021年以降拡大していたが、2025年は大幅に縮小。同年、国際収支統計ベースの純輸出は、通関統計ベースに比べて大きく拡大し、GDP成長率を+0.3%ポイント押し上げ。国家外貨管理局(Yang [2025])は、両統計間の差をiPhoneなどのOEM製造品に関する計上価格の差と指摘。通関統計では税関申告の卸売価格が記録される一方、国際収支統計では所有権の移転の際に記録される工場渡し価格で記録。通常、卸売価格の方が工場渡し価格よりも高水準。貿易に占めるOEM製造品のシェア縮小が、両統計間で価格差が生じる原因となる財のシェアの低下に作用した可能性。

中国の貿易構造変化に伴い、当面国際収支統計ベースの純輸出は通関統計に比べて高い成長となる見込み。GDP成長率が通関統計から予測される伸び率に比べて高くなる可能性に要留意。


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