リサーチ・アイ No.2025-148
原油価格上昇により強まるわが国経済への逆風 ― 物価は1%弱上振れ、家計の負担帳消しには3~4兆円規模の電気・ガス代補助が必要 ―
イランと米国の武力衝突により原油価格は上昇。当社の想定では、武力衝突が短期で収束すれば、原油価格の上昇圧力は早期に沈静化するものの、長期化すれば100ドルを超える水準で高止まりするリスク。
原油価格の上昇によるわが国経済への影響を試算すると、短期収束シナリオではインフレ率の上昇は限定的にとどまるものの、長期化シナリオでは2026年度のインフレ率は+0.94%ポイント上振れし、GDPは▲0.3%ポイント悪化。交易条件の持ち直しなどによりようやく上向き始めたわが国の実質賃金は、再び下落する公算。
原油高が長期化するケースでは、政府は臨時の補正予算を編成し、エネルギー価格を抑制する可能性。仮に、補助金で電気・ガス代を抑えることで、物価全体の上振れを阻止しようとすれば、2026年度で3~4兆円規模の歳出が必要に。これは、高市政権が2025年度補正予算に盛り込んだ恒久財源を伴わない物価高対策と比較しても突出。「責任ある積極財政」のもとで、国債の発行を抑制しようとすれば、他の歳出削減を強いられ、わが国政府の財政運営は一段と難航も。
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