リサーチ・アイ No.2025-139 欧州で防衛費が拡大、供給制約が足かせに ― 追いつかない生産力と高まる米国依存 ― 2026年02月13日 中井勇良、立石宗一郎欧州では防衛費が増額される見通し。NATO(北大西洋条約機構)加盟国は2025年に向こう10年間の防衛関連の支出をGDP比5%へ引き上げることに合意。これまでの米欧主要国では、防衛費の伸びは社会保障分野の支出を下回る傾向にあったが、こうした傾向は今後反転する可能性。防衛費増額の背景には安全保障環境の急変。2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、世界的に地政学リスクが上昇。足元ではグリーンランドを巡って米国と対立するなど、自立した防衛体制の構築が急がれる状況に。もっとも、供給能力の制約が防衛力増強の足かせに。ドイツでは、ウクライナ紛争以降、武器・弾薬の新規受注が増加する一方、生産は受注に追いついていない状況。これには熟練労働者の不足が一因に。欧州では防衛関連企業が労働力の確保に注力しており、関連産業の賃金は欧州平均を4割程度上回る水準。供給制約もあって、欧州では武器輸入が増加。とりわけ、米国への依存度が強まっており、足元では米国の武器輸入割合が6割に上昇。米欧の地政学的な対立が一層深まれば、欧州独自の防衛体制の構築に悪影響が及ぶ恐れ。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)