リサーチ・アイ No.2025-136 海外投資家による為替ヘッジ行動が円売り圧力に ― わが国の株価が1%上昇すると1兆円の円売りが発生する可能性 ― 2026年02月04日 吉田剛士2025年後半以降、ドル円相場は米日金利差との関係が弱まるなか、日本株と強く連動。一般に、円安が進行する局面では、わが国の輸出企業の収益改善に繋がるとの期待から株価が上昇。一方、株価上昇が起点となり、円安が進行する面も。その要因として、海外投資家によるヘッジ行動が指摘可能。本邦株式市場における海外投資家比率は3割強。地域別にみると、欧米のシェアが大。海外投資家は為替変動リスクを抑えるために、円建て保有資産に対して、為替ヘッジを実施。さらに、欧米よりも日本の金利が低い足元のような局面では、ヘッジプレミアムが得られることも円ヘッジを促進。こうしたなか、わが国の株価が上昇した場合、海外投資家は追加ヘッジを行うため、ドル買い・円売り取引を通じて、円は下落。先行きも株価上昇に伴う円売りが続く可能性。日銀の利上げペースは緩やかにとどまるほか、わが国の財政悪化懸念の高まりなどから市場では円の先安観は根強く、海外投資家は一定のヘッジ比率を維持する公算。仮に、海外投資家の本邦株式保有に係るヘッジ比率を30%とすると、1%の株価上昇につき、約1兆円の円売りが発生する可能性。2025年の東京・名古屋二市場における海外投資家の年間買い越し額が5.4兆円であったことを踏まえると、為替相場への影響は大。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)