リサーチ・アイ No.2025-134 消費減税は家計支援の最適解か ― 財源以外にも課題は山積、慎重な検討が必要 ― 2026年01月29日 藤本一輝2月の衆院選を前に、各党は消費減税を主張。消費減税は、財源確保のハードルが高いものの、仮に財源問題を解消しても家計支援策として以下複数の問題点が指摘可能。第1に、販売価格に反映されない可能性。過去に欧州で消費税が引き下げられた際には、減税幅ほど販売価格が下がらなかった事例も。わが国では、企業による消費者向けの価格転嫁は道半ばであることを踏まえると、減税率ほどには価格が下がらず、家計に恩恵が行き渡らない可能性。こうした事態を避けるためには、家計向けの直接支援となる現金給付や所得減税の方が確実。第2に、景気の振幅を高める点。消費減税で価格が低下すれば、買い控えとその反動、税率が低いときに多く消費しようとする動き(代替効果)が発生。全品目一律に減税すれば耐久財を中心にこうした動きが見込まれるほか、食品のみの減税でも、コメなど備蓄可能な財の購入が前倒しされる公算大。需要の急激な変動で供給網が混乱しかねないほか、消費が大きく振れるなかで景気判断は困難を極め、再増税の判断も難航する恐れ。第3に、再分配効果が弱い点。消費税には逆進性があるため、割合(所得に占める減税額)で考えると低所得者への恩恵が大きいものの、減税額は高所得者の方が大。定額給付(割合でみると低所得者の恩恵大、減税額は一定)に比べると再分配機能は限定的。政策目的に照らして、他の家計支援策と比較しながら慎重に検討する必要。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)