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リサーチ・アイ No.2025-116

日銀短観(12月調査)予測 ― 製造業の景況感は改善も、非製造業は悪化 ―

2025年12月10日 藤本一輝


12月15日公表予定の日銀短観(12月調査)では、企業の景況感が9月調査から小幅悪化する見込み。全規模・全産業の業況判断DIは、9月調査対比▲1%ポイント低下すると予想。業種別にみると、非製造業で前回から低下する見通し。エネルギー安によるコスト低下が下支え役となるものの、人手不足の深刻化や最低賃金の引き上げを受けた人件費の増大が中小企業を中心に業況を下押し。

製造業の業況判断DIは、前回から上昇する見通し。米国向け輸出の減少が重石となるものの、エネルギー安により素材業種の業況が引き続き改善するほか、米国との通商交渉の妥結を受けた不透明感の緩和が加工業種の業況を下支え。

先行きは、全規模・全産業で12月調査から▲4%ポイントの低下を予想。非製造業では、日中関係の悪化に伴う訪日中国人旅行者の落ち込みに対する懸念が業況を下押し。もっとも、①エネルギー安によるコスト削減圧力、②物価の鈍化を受けた消費回復への期待、が業況を押し上げ。12月調査からの下振れ幅は、従来の傾向と比較して小幅となる見通し。

2025年度の設備投資計画(土地投資を含み、ソフトウェア投資を除く)は、前年度比+9.2%と予想。人手不足感が強まるなか、省力化に向けた投資ニーズは旺盛であり、設備投資は増勢を維持する見通し。業種別にみると、製造業は例年の足取りと同様に9月調査から下方修正される一方、収益環境が良好な非製造業では、昨年に続いて計画が上方修正される見通し。


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