リサーチ・アイ No.2025-109 2025年冬季賞与の見通し ― 米関税の影響で中小製造業を中心に減速も、全体では増勢を維持 ― 2025年11月06日 藤本一輝今冬の賞与を展望すると、民間企業の支給総額は前年比+2.5%と、昨年から伸びが低下するものの、冬季賞与としては5年連続で増加する見通し。支給対象者数は横ばい圏にとどまる一方、一人当たり支給額は同+2.6%と増勢を維持。賞与額は基本給(所定内給与)に支給月数を乗じて算出されるケースが多いため、所定内給与の増加が賞与全体の押し上げに寄与する見込み。とりわけ、夏冬型(前年度の業績を踏まえた春の交渉で、冬までの賞与額を決定)で賞与を決定するケースが多い大企業では、今夏並みの伸びが維持されると予想。もっとも、米関税の影響などを受けて、製造業を中心に足元の企業収益は弱含んでおり、中小製造業の賞与は下押しされる見通し。中小企業には夏冬型の企業が少なく、支給時期直前の経営環境が賞与に反映される傾向。国家公務員の一人当たり賞与は、同+12.3%の増加を予想。本年の人事院勧告では、民間企業の賃上げ動向を踏まえて、賞与の支給月数の引き上げ(前年差+0.05月分)と月例給の増額(前年比+3.62%)を決定。加えて、昨年の給与法改正が遅れ、昨冬の賞与の増額が間に合わなかったことも、前年比でみた伸び拡大の要因に。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)