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リサーチ・アイ No.2025-059

地球温暖化による労働制約の強まりと今後の課題

2025年07月16日 大嶋秀雄


地球温暖化によってわが国でも極端な高温が増加。近年は東京で猛暑日が年間20日以上発生し、地球温暖化を止めなければ、今後さらに増加。高温は、地球温暖化で激甚化が予想される風水害等に比べて、広域で発生し、頻度も高く、近年、熱中症被害は全国的に増加。

仕事中の熱中症被害も増えており、6月施行の改正労働安全衛生規則では企業に対策を義務付け。熱中症リスクを示す暑さ指数は、東京の6~9月日中(8~18時)の5割で厳重警戒域。

高温は、わが国の人手不足を深刻化させる恐れ。気温に応じた休憩確保による就労可能時間への影響を簡易試算すると7~8月は▲2割減。就労可能時間の減少に加え、暑さによる生産性低下や日々の就労可能時間の変動等も生産活動に悪影響。また、熱中症リスクのある労働環境では人材確保が難しい可能性も。高温の影響を受ける業種は、建設、運輸、農林業、警備のほか、製造業でも空調が難しい工場等は多く、幅広い業種で労働制約は起こりうる。

今後、高温の影響を受ける企業は、将来的な気温上昇を見据えた対策強化が不可欠。具体的には、労働環境・装備の改善や就労時間帯の見直し、健康管理強化等をさらに進めるとともに、立地の見直しや省力化・機械化等も重要。政府は、各地域の気候変動の高精度な予測を示すとともに、各地域における地球温暖化への適応策をしっかり後押しすることが求められる。もっとも、適応策には限界があり、早期の脱炭素を実現して、地球温暖化に歯止めをかけることが不可欠。


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