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リサーチ・アイ No.2025-054

トランプ大統領、韓国の相互関税率25%発表 ― 機械類の輸出に打撃、欧州との競争条件悪化も ―

2025年07月09日 室元翔太


トランプ大統領は、韓国を含む14ヵ国の相互関税率(上乗せ分)を通知。韓国側の一段の譲歩がなければ、25%の関税率が8月より発動予定。韓国の対米輸出には自動車などの個別関税対象品目や半導体が多く相互関税対象品目の割合は3割程度。諸外国・地域と比べると、相互関税引き上げによる経済全体への追加的なインパクトは小。もっとも、韓国景気は、内外需の不振が重なり、すでに厳しい状況。相互関税が予定通り発動されれば、以下2つの経路を通じて景気が一段と下振れる公算大。

第1に、機械産業の業績悪化。機械類の対米輸出額は相互関税対象品目のなかで最大。世界経済の不透明感の高まりなどを背景に、一般機械などの輸出はすでに前年割れで推移しており、関税引き上げがさらなる業況の悪化につながる恐れ。

第2に、輸出競争の激化。相互関税対象品目における韓国と各国・地域の輸出競合関係をみると、アジア(日本、台湾、中国など)のほか、欧州(ドイツ、ポーランド、英国など)とも競争関係が強。アジア諸国の多くで相互関税率が韓国以上に高いため、米国市場における対アジアの競争環境は大きく変わらない見込み。他方、欧州の関税率は韓国より低く、対欧州では輸出競争力が低下する見通し。EUの相互関税率の着地点次第では、韓国の対米輸出が一層の下振れる恐れ。


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