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リサーチ・アイ No.2025-049

韓国の6月輸出はプラス成長に復帰も、先行きは減速へ ― 半導体輸出は循環的な減速局面入りへ、トランプ関税が輸出全体の重石に ―

2025年07月07日 室元翔太


韓国の6月輸出額は前年同月比+4.3%と、前月の減少から一転、プラス成長へ復帰。EUや台湾への輸出が大幅に増加しており、中国、米国向け輸出の落ち込みをカバー。

品目別では、高性能メモリを使用したAI関連製品などへの需要増を背景に、輸出全体の2割を占める半導体輸出の増勢が継続。資源価格の下落ペースの緩和による石油・石化製品の減少幅の縮小、昨年の好調な受注を受けた船舶の輸出増も全体を押し上げ。その他、4~5月に減少した自動車輸出が増加に転換し、とくにEU向けのEV輸出が好調。EUの中国製EVに対する相殺関税導入やテスラ社製品不買に伴う中国・米国からの輸出減少を補う形で、韓国からの輸出が増加。

もっとも、主力の半導体輸出の減少に伴い、韓国の輸出は先行き減速へ。半導体の単価は3~5月に下落に転換しており、輸出の循環的な減速局面入りを示唆。過去の半導体サイクルでは、過剰な生産能力を受けて価格が先行して下落。年後半には、米国の電子部品関税(半導体を含む)の発動も見込まれ、韓国の対米半導体輸出は、台湾・中国経由の間接輸出も含めて減少する見通し。さらに、船舶輸出も世界的な受注減少を受け、先行き減速する見込み。自動車も、対米輸出減少が続くなかでは全体を押し上げるほどの改善は見込めず。

韓国は、米国に対して相互関税上乗せ税率の適用停止期限の延長を希望するも、米国が容認するかは不透明。発動すれば、対米輸出の約3割に25%の高税率が課され、輸出をさらに下押し。


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