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リサーチ・アイ No.2025-038

消費減税、消費刺激効果の一方で課題も山積 ― 懸念される財政リスク、全品目一律で減税すれば景気は大きく振幅 ―

2025年06月06日 藤本一輝


7月の参院選を前に、各党は消費減税を主張。消費減税が個人消費に影響を与える経路は、①所得効果(家計の生涯所得の増加により消費も増加)、②異時点間の代替効果(税率が低いときにより多く消費)、③買い控え(駆け込み)とその反動、の3つに整理可能。買い控え(駆け込み)とその反動を同規模と仮定すれば、消費刺激効果は、所得効果と代替効果の総和。

試算によれば、消費減税には一定の消費刺激効果。とりわけ、恒久減税の場合は、所得効果によって、実質消費は中長期的に+1.5~+4,4%増加する計算。ただし、将来的な増税が想起され所得効果が期待外れに終わる可能性もあり、試算結果は幅をもってみる必要。

消費刺激効果がある一方、消費減税は財政リスクが大きいだけに、実施に際しては慎重な議論が必要。消費税は、①景気による税収変動が小さい、②高齢者を含む無業者も負担するため高齢化が進行しても税収が減少しにくい、ことから財政の健全性・持続性の観点で重要な財源。当初は時限的な減税であっても、政治的な配慮により税率の再引き上げが困難となり、財政懸念を高める公算大。財政悪化で長期金利が一段と上昇すれば、政府は増税や歳出削減を余儀なくされる可能性も。

全品目一律の減税は、景気の振幅を高める可能性も。買い控え/駆け込みの動きは、備蓄の難しい生鮮食品などでは限定的である一方、購入時期の調整が容易な耐久財では顕著。減税の前後で耐久財を中心に消費が大きく増減。


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