JRIレビュー Vol.1, No.128 アメリカ経済見通し 2025年12月26日 森田一至足元のアメリカ経済は、内需を中心に底堅く推移している。高所得層を中心に個人消費が堅調であるほか、旺盛なAI需要を受けて企業の設備投資も好調である。一方で、二極化も進行している。雇用情勢は中小企業で悪化しているほか、低所得層の支出抑制が消費の重石となっている。また、不確実性の高い局面が続くなかで、非IT分野の設備投資が低迷している。先行きのアメリカ経済は、回復に向かう見通しである。関税影響の一巡によりインフレ圧力が鈍化するほか、FRBの段階的な利下げにより緩和的な金融環境が続き、内需を拡大させる見込みである。当面のリスクは、トランプ政策の先鋭化とAIバブルの崩壊である。2026年11月に控える中間選挙に向けて、支持層の拡大を目的にトランプ政権が関税率の大幅引き上げや移民排斥の強化を実施した場合、供給制約の強まりに伴うインフレ高進や金利急騰が景気を下押しする可能性がある。また、AIの導入による収益改善への期待が低下し、デジタル関連企業の業況が悪化した場合、設備投資が押し下げられるほか、ハイテク株の急落に伴う逆資産効果が消費を腰折れさせることが懸念される。さらに、金融と実体経済の相乗作用にも注意が必要である。デジタル関連企業は外部資金調達を増加させているだけに、その業績悪化が金融機関の与信姿勢を慎重化させ、経済全体の資金調達環境の悪化につながることが懸念される。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)