「リーマン・ブラザーズ」と「地球温暖化」は一見すると結びつかないが、実はそうでもない。リーマン・ブラザーズは本業である金融商品へのリスク管理は不十分であったと言わざるを得ないが、気候変動の分野においては気候変動が企業経営に与えるリスクを提唱した先進的な企業であった。 2007年に相次いで発表した"The Business of Climate Change"と"The Business of Climate Change Ⅱ"のレポートでは、自動車、銀行、化学、医薬品、保険、石油、メディア、不動産、小売などの業界を取り上げ、物理リスクや規制リスク、市場リスクなどの気候変動リスクが企業に与える財務的影響を業界横断的に分析し、企業の対応によって将来の影響が大きく異なるということを指摘している。