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森林と温暖化

2008年06月02日 佐々木努


 先日閉幕したG8環境大臣会合では、地球温暖化に関する長期目標の議論の行方が注目されていた。そのG8環境大臣会合において、違法伐採問題に関する行動の成果等をとりまとめた「G8森林専門家違法伐採報告書」が提出されたことをご存知であろうか。
 同報告書では、過去10年にわたってG8各国が取り組んできた違法伐採及び関連取引に関する政策・措置の実例や成果、課題が記述されている。

 G8森林専門家は「世界規模での森林減少及び森林の劣化が憂慮すべき速度で進行している」と指摘しており、さらにその大きな要因は「違法伐採」としている。
この報告書は、違法伐採問題に対する示唆を与えるだけにとどまらず、ポスト京都の地球温暖化対策にも密接に関係するものだ。
 たとえば、2000年時点において、地球全体の温室効果ガス排出の18%は土地利用変化(主要な要因は森林から農地への転換)によるものと推計されているし、また、「排出を抑制するという目的からすると、森林減少を減らす政策の方が、新規植林や再植林に比べてより生産的である」とスターンレビューにおいて発表されている。

 これはREDD(Reducing Emissions from Deforestation and Degradation in Developing countries)という考え方であり、今後の地球温暖化を考える上で欠かせないキーワードである。

 世間では、ポスト京都における中・長期目標の議論や、途上国の参加問題などが注目を集めているが、このREDDを巡る議論も非常に重要な論点の一つである。洞爺湖でのG8の議論の報道を見聞きする際には、こうした視点も合わせ持っていただければと思う。
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