コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経済・政策レポート

Business & Economic Review 2007年09月号

【REPORT】
拡大が期待されるリフォーム需要-築年数が上昇する住宅ストック

2007年08月25日 調査部 ビジネス戦略研究センター 主任研究員 枩村秀樹


要約

  1. わが国の住宅の平均築年数が上昇傾向にある。一戸建てでみると、平均築年数は1983年の17.2年から2003年には23.0年へ上昇した。そこで本稿では、築年数が上昇している背景を調べたうえで、住宅市場に与える影響を分析した。

  2. 築年数の上昇は、住宅の建て替えなどが減少するなか、同じ持ち家に住み続ける世帯が増加したことが主因である。さらに、建て替えの減少は、景気低迷による所得環境の悪化や、建て替え率が低い高齢者世帯のシェア上昇などが背景になっている。今後を展望しても、少子化によって新規取得の伸びが期待できないうえ、高齢化によって建て替え需要へのマイナス影響も強まることから、築年数の上昇傾向は持続する公算が大きい。

  3. こうした築年数の上昇は、リフォーム需要の拡大を促すと予想される。そこで、一定の前提を置いて試算してみると、築年数が長い住宅の増加を背景に、リフォーム戸数は2003年から2013年までの10年間で9.3%増加するとの結果が得られた。なお、地域別にみると、この増加の大半は大都市圏に集中するとみられる。

  4. さらに、リフォーム予算額は、住宅の築年数が長くなるほど金額が大きくなるという特徴がみられる。そこで、これを適用して金額ベースの市場規模を試算してみると、2013年までの10年間で、リフォーム市場規模は戸数ベースを上回る12.7%の伸びになる。また、戸数ベースでは減少が予想される地方でも、金額ベースでは市場拡大が展望できる。
経済・政策レポート
経済・政策レポート一覧

テーマ別

経済分析・政策提言

景気・相場展望

論文

スペシャルコラム

YouTube

調査部X(旧Twitter)

経済・政策情報
メールマガジン

レポートに関する
お問い合わせ