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リサーチ・レポート No.2021-009

【欧州経済見通し】ワクチン普及で経済正常化に向かう欧州経済~アフターコロナも南北格差は残存~

2021年07月05日 井上肇、高野蒼太、栂野裕貴


欧州では、4月以降、活動制限の緩和によって景気は回復傾向。

本年後半は、過剰貯蓄を原資としたリベンジ消費や、ワクチンパスポートによる観光業の復活によって、景気が急回復。とりわけ、コロナ禍で大きな打撃を受けた南欧諸国で堅調な回復が期待可能。

ECBはPEPP終了後も金融緩和姿勢を継続する公算大。また、ドイツでは総選挙後も財政拡張スタンスが維持される見通し。さらに、米国の財政支出による波及効果やEUの復興基金も中期的に成長を下支え。

ただし、雇用・所得環境などは南北で差がついており、コロナ前水準の回復時期やその後の回復ペースには格差。

政治面でも不安材料。ドイツで環境規制強化が急速に進めば、景気下振れのリスク。また、フランスでルペン大統領が誕生すれば、欧州統合の深化は停滞へ。


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