以上を踏まえた、2021 年度地域別最低賃金改定の在り方についての提案は次の4点。 ① 2021 年度の最低賃金引き上げ率は2%程度と標準とする。ただし、有効求人倍率が1を下回る都府県の多いAランクや雇用過剰感が強い県ではやや低い引き上げ率(例えば1%)を設定する。 ② コロナ禍の影響を強く受ける特定産業で特例として最低賃金の据え置きを認める。具体的な特定産業の範囲については各都道府県の地方最低賃金員会で決定する(同時に、特定産業での収入が一定レベルを下回る労働者に特別給付金などの生活支援措置を講じる)。 ③ 生産性向上のための投資促進策、人材育成・労働移動支援策を充実させる。 ④ 2022 年度以降に向けて、中期的な最低賃金引き上げ方針の提案を行う専門委員会の設置を進める。加えて、最低賃金制度と産業政策・雇用政策・福祉政策との整合性を図るための省庁横断的な委員会を立ち上げる。