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リサーチ・フォーカス No.2021-013

資産形成の導入商品としての「少額投資サービス」~ 決済等を起点にして投資を日常生活の一部に ~

2021年06月08日 野村拓也


世界的に個人投資家の存在感が高まるなか、米国では、昨年新たに証券口座を設定した投資家の多くが、投資を始めた理由を「少額投資を行うため」と回答。少額投資には、Robinhood のような投資アプリを通じて投資家が自らの判断で投資を行うもののほか、近年は、①カード決済や日常行動等の「イベント」を起点に、②自動的に預金口座等から資金を引き落し、③各種金融商品に投資する「少額投資サービス」も普及。

欧米で利用されている少額投資サービスを、その内容で分類すると以下の通り。
おつり型:クレジットカード等の決済額の1通貨単位未満を切り上げた額(いわゆる「おつり」)を預金口座から引き落としてETF ポートフォリオ等に充当。最大手の米Acorns は、顧客数540 万人、預り資産残高34 億ドル。
おまけ型:カード決済額に応じて得られるポイント等(いわゆる「おまけ」)の代わりに、カードの利用先企業の「端株」等を提供。最大手の米Stash は、Acornsと同様、顧客数が500 万人超にまで拡大。
おまかせ型:一日の歩数やSNS 投稿などの日常行動、気温などの外部事象等、投資の起点となるイベントを投資家が任意に設定できるサービス。米Qapital が、異なるウェブやアプリを組み合わせて連携させるIFTTT を活用して提供。

少額投資サービスは、利用者にとって、①何らかの満足感を得られる行動と投資を連動させているため、投資に対する心理的なハードルが低下する、②長期分散投資になるといった利点が存在。一方、運用資産残高がある程度積み上がるまでは、投資家の支払うコストは割高になるというデメリットも指摘可能。

欧米における投資への導入商品としての利用状況を踏まえれば、わが国においても、少額投資サービスの普及によって、個人が投資に触れる機会を増やすことは有用。同サービスが、決済・預金・証券が連携した複合的なサービスであることを踏まえれば、今後は、大手金融グループが参入する可能性あり。単元株取引の容易化等の制度対応を含め、今後は、官民を挙げた対応に期待。


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