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リサーチ・フォーカス No.2021-012

コロナ後の景気回復、人手不足が制約 ― サービス業の人員復元は困難、成長率を1%押し下げ ―

2021年05月28日 西岡慎一


雇用環境の悪化が一服している。就業者数は下げ止まっており、失業率は昨秋から低下に転じている。これには、コロナ禍の業況悪化が対面型サービス業に集中している結果、産業間の雇用シフトが比較的円滑に進んだことが一因となっている。今後、業況悪化が幅広い産業に及ぶことがないかという点が、感染収束までの雇用情勢を見るうえで重要となる。

感染収束後の課題は人手不足である。自粛期間が長かった分、サービス消費のペントアップ需要は大きくなる可能性がある。しかし、打撃を受けた対面型サービス業は賃上げ余力に乏しいことなどから、人員復元は難しく、景気回復の勢いが抑えられる可能性がある。試算によれば、近年、企業は人手不足への対応として、人員確保に向けた賃上げには消極的で、生産を抑制する傾向を強めている。仮に、前回の景気回復局面並みに雇用が不足すると、経済成長率は1%下押しされる計算になる。

人手不足の解消に向けた省力化投資も抑制される可能性がある。コロナ禍で債務が急増しており、企業が潜在的に抱えるバランスシート調整圧力は強い。感染収束後、債務返済が優先され、省力化をはじめ設備投資に資金が回らないことが懸念される。人手不足の緩和に向けて、現金給付や資本注入など債務増加を伴わない企業支援や、コロナ前からの課題であった労働供給を掘り起こすための種々の施策が引き続き重要となる。


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