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リサーチ・フォーカス No.2021-007

失われる「集積の経済」、生産性の低下に ―対面型サービス業に悪影響、潜在成長率を0.1~0.4%pt 押し下げ―

2021年05月12日 西岡慎一


コロナ禍で外出人口が減少しており、対面型サービス業の業績が悪化している。外出人口の減少は、需要の減少をもたらしているだけではなく、供給サイドにも悪影響を及ぼしており、同産業の生産性を低下させている可能性がある。

対面型サービス業は、「集積の経済」の影響を強く受けることで知られる。「集積の経済」とは、企業・家計が特定の地域に集中することで生産性が高まる効果を指す。外出人口の減少で、この効果が都市部ほど低下しており、①事業規模の縮小による経営効率の低下、②稼働率の大きな変動による生産調整、③参入・退出企業の減少による新陳代謝の低下などが生産性低下の経路に挙げられる。

サービス業の生産性と人口密度の関係をもとにした試算によれば、コロナ禍で対面型サービス業の生産性は全国平均で2~6%、東京都で4~12%低下している。これは経済全体の潜在成長率を0.1~0.4%ポイント押し下げる計算になる。

感染が収束して外出人口が元に戻ったとしても、中長期的な人口減少やオンライン取引の拡大などで「集積の経済」が基調的に失われ続ける可能性がある。このため、コロナ前から掲げられてきた中核都市への人口集積といった政策が、サービス業の経営環境を改善させ、潜在成長率を底上げするためにも重要である。企業としても対面とオンラインをともに強化する「両利きの経営」が不可欠となる。
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