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リサーチ・アイ No.2021-005

「規模別」協力金、状況改善もなお残る不公平感 ―飲食業以外のサービス業の扱いも課題―

2021年04月13日 西岡慎一


協力金が一律支給から企業規模に応じた支給に変更される方針。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発動された地域で時短要請に応じると、中小企業では、売上高に応じ1日4万円から10万円の支給。大企業では、減収額に応じ1日最大20万円の支給。発動されていない地域でも時短を実施すると、中小企業で1日2.5万円から7.5万円の支給。

企業規模に応じた支給で固定費のカバー範囲に広がり。たとえば、従業員規模が10~19人の店舗では、固定費に見合った協力金が支給される計算。20~29人の店舗でも、固定費の7割程度をカバー。このクラスでは、一律支給に比べてカバー範囲が約4割拡大。

もっとも、不公平感は完全に解消されず。大規模店舗は協力金では足りない一方、従業員1~4人の零細店舗では、受取額が固定費を引き続き上回る状況。受取超過額は1日3.1万円、1ヵ月96万円にのぼる計算。1~4人の零細店舗は飲食店の半数以上と多数。零細店舗向けの協力金の適正化は財政負担の軽減効果も大。

他産業との不公平感も問題。宿泊業、生活関連サービス業、娯楽業は、飲食業並みに業績悪化。これら産業は、外出自粛による悪影響が強く及んでいるが、協力金の対象外。資金繰りがひっ迫しやすい零細店舗が飲食業と同様に多い点を踏まえると、支給額や対象範囲などの面で、的を絞った効果的な現金給付へと見直す余地。
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