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リサーチ・フォーカス No.2020-036

特別定額給付金の効果とコロナ禍での家計支援のあり方 ―急がれる対象を絞った支援策―

2020年12月28日 小方尚子


新型コロナ禍に対応した国民一人当たり一律10万円の特別定額給付金は、支給に際してのトラブルが注目される一方で、そもそもの緊急支援策の規模・対象範囲等のあり方についてはあまり注目されていない。本稿では、今回の給付金の支給に至る経緯と規模、効果を整理したうえで、今後の課題を考察。

給付金は、給付までのスピード、世帯当たりの支援規模ともに限界があり、緊急小口貸付制度など従来制度のほうが実効性は高かった。しかし、感染拡大初期においては支援を必要とする人々の状況把握が困難であり、まずは、国民の不安を緩和するうえで、困窮者は国として助ける、との姿勢を示すアナウンスメント効果という意味において、一定の意義はあったといえる。

一定の前提の下、緊急支援が必要だった人の総数は、643万人と試算される。就業者全体に占める割合では9.3%、国民全員に対する割合では5.1%にとどまっており、生活支援という意味では全員給付は過剰であったと言える。

消費喚起効果は、低所得世帯を中心にマクロで3兆円とみられるものの、政策の効率性という点からみると、改善の余地が大きい。

厳しい財政状況も勘案すると、家計支援策については、困窮者に的を絞ることが重要である。さらに、中長期的には、今回のようなケースで真の困窮者への支援を迅速に実施できるインフラ整備が重要であり、マイナンバー制度の活用や行政手続きのデジタル化が急がれる。

特別定額給付金の効果とコロナ禍での家計支援のあり方 ―急がれる対象を絞った支援策―(PDF:804KB)
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