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リサーチ・レポート No.2020-032

ウェルスマネジメント業務における世界の5大トレンドとわが国への示唆

2020年12月21日 野村拓也


欧米金融機関では、市場規模が安定的に拡大し、かつ、危機時の業績悪化が限定的であることを背景に、富裕層の資産管理を行うウェルスマネジメント(WM)業務が主要ビジネスラインの1つとなっている。一方、わが国では、超富裕層の少なさや金融資産の預貯金偏在等を主因に、WM業務は十分に発展してこなかったが、近年は、国内外の金融機関が、わが国のWM業務に関心を示している。

今後、わが国にWM業務を根付かせるためには、同業界における世界的なトレンドを踏まえたうえで、自国の実情に合わせたビジネスモデルを構築することが重要である。具体的には以下の通り。

①資産保有層の変化:世界では、若年層や女性の保有する金融資産が増加しており、WM業務の顧客層が変化している。わが国では、依然として金融資産は高齢者に偏在しているが、将来的に資産保有層が変化する可能性を踏まえ、早期に若年層の取り込みを図る必要がある。

②プロダクトの多様化:世界ではESG関連商品や非金融サービスのニーズが高まっている。一方、わが国では、現状、顧客が運用益などの経済的利益を重視する傾向が強い。将来的な社会貢献等への関心の高まりに備え、金融機関は、ESG関連商品や非金融サービスの提供に備えることが重要である。

③手数料体系の見直し:欧米では、低金利下で割高感のある残高ベース手数料よりも、顧客が希望するアドバイス1回あたり定額の手数料を導入する動きがある。わが国でも、導入が進む残高ベース手数料に加えて、顧客の求める成果報酬型手数料を採用する金融商品の拡充を検討すべきである。

④投資アドバイスの大衆化:世界では、対面アドバイスの対象顧客と自己取引を行う顧客の中間に位置する顧客層に、ビデオチャットやロボアドバイザー等により「非対面」のアドバイスを提供する動きがある。わが国でも、非対面でアドバイスを提供するツールやサービスを提供・高度化することが考えられる。

⑤デジタル技術の活用:欧米のWM業界では、対顧客業務でデジタルツールを活用する企業が増加しており、わが国でも、デジタルコミュニケーションツールを高度化してビジネスに組み込む必要がある。

ウェルスマネジメント業務における世界の5大トレンドとわが国への示唆(PDF:1,429KB)
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