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リサーチ・レポート No.2020-027

【米国経済見通し】K字型回復が続く米国経済 ~バイデン新政権は前途多難の船出~

2020年11月30日 井上肇、橘高史尚


米国経済は、ペントアップ需要の顕在化に支えられて7~9月期に急回復。もっとも、足許の景気回復は、業種や所得層の違いによる二極化が鮮明。バイデン新政権の当面の最優先課題は新型コロナへの対応となるものの、中長期的には所得・雇用格差の是正を含め、米国内外で対応すべき課題が山積。

足許では新型コロナの第3波に見舞われるなか、複数の州が行動制限を強化。外出機会の減少によりサービス消費は弱含むものの、コロナ禍でオンラインシフトが鮮明な財消費は底堅く推移する見込み。これまで既往の経済対策が個人消費を中心に景気回復を後押ししてきたものの、2021年にかけて効果が剥落するなかで、同年春までに追加的な対策が成立すると予想。

ねじれ議会の下、バイデン新政権の公約実現余地は縮小。財政政策では、増税は実現せず、インフラ投資など歳出拡大策の規模は圧縮される公算大。一方、大統領権限が強い外交・通商政策は、国際協調路線に転換するものの、内向き志向は変わらないほか、対中強硬姿勢は維持される見込み。

金融政策については、ディスインフレ傾向の長期化と雇用回復の遅れが予想されるなか、早期の正常化は見込み薄。今回の予測期間外となるものの、2024年にはFRBが柔軟な2%のインフレ目標を達成したとみなせる状況となり、利上げが開始される可能性。

以上を踏まえ、米国景気の先行きを展望すると、行動制限や外出自粛ムードが重石となるものの、金融・財政政策に支えられて、緩やかな回復が続くと予想。新型コロナワクチンの普及が期待される2021年後半には、経済活動がコロナ禍前の水準を回復し、22年入り後も暫くは高めの成長ペースが続く見通し。少なくとも22年秋の中間選挙後までは増税も大規模な歳出拡大も実現せず、景気の回復ペースや格差の構造が大きく変わることはない見込み。

リスクは景気下振れ方向。ワクチンの普及の遅れなどによりコロナ禍が想定以上に長引く場合、資産価格の下落や過剰債務調整の動きが経済に対する負のショックを顕在化・増幅させるリスク。

【米国経済見通し】K字型回復が続く米国経済 ~バイデン新政権は前途多難の船出~(PDF:1,198KB)

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