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リサーチ・フォーカス No.2020-023

新型コロナで取り組みが加速する中国のデジタルシルクロード

2020年10月19日 岩崎薫里


デジタルシルクロード構想とは、「一帯一路」の一環として、中国主導のもと沿線国を中心とする海外諸国のデジタル化を推進する構想である。中国のデジタル製品・サービスの輸出を促進するとともに、5G をはじめとする次世代デジタル技術における国際標準化の主導権を確保することを目的とする。

現在、次世代デジタル技術に関する国際標準の多くはいまだ策定途上にある。デジタルシルクロード関連事業を通じて、中国企業は沿線国に中国標準の技術をいち早く導入することを目指している。その動きを広げることが、「多くの国で採用済み」という既成事実となって、国際標準化の議論で中国に有利に働く。

新型コロナにより、中国はデジタルシルクロード建設に向けた取り組みを加速する方向にある。とりわけ、中国国内で新型コロナ対策として活用されたデジタル技術や、新型コロナによって高まった「非対面」「無人化」ニーズに応えるために導入されたデジタル技術の海外展開に期待が寄せられている。新型コロナの影響で一帯一路関連の大型インフラ建設が困難になっていることも、デジタルシルクロードの相対的な重要性を高めている。

デジタルシルクロードの建設に拍車がかかるにつれて、アメリカを中心に西側先進国の警戒感が強まっている。次世代デジタル技術において中国標準の採用が広がり自国企業に不利になる、といった経済的な警戒に加えて、①中国企業が収集した沿線国のデータが中国政府にわたる、②監視社会が世界に拡散する、③インターネット上の自由度が世界的に低下する、など政治・安全保障面での警戒や、価値観が脅かされることへの警戒である。これらのなかには現時点では杞憂と言えるものも含まれ、日本としても過度に反応する必要はない。重要なのは、中国の取り組みを注視し続けるとともに、そのなかで日本政府・企業がどう対応すべきかを冷静に考え、実行することであろう。

新型コロナで取り組みが加速する中国のデジタルシルクロード(PDF:667KB)
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