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リサーチ・レポート No.2020-024

金融業のデジタル化に向けた次世代技術の活用 ~高度なUX実現による課題克服へ~

2020年10月09日 野村拓也、北野健太、間瀬英之


コロナ禍における経済活動自粛の過程で、日本企業のデジタル化の遅れが明らかになった。金融業界においても、多くの銀行支店が営業を継続するなど、デジタルチャネルで処理されない手続きが残っている。

金融業界でデジタル化が進まない理由は、①顧客のデジタル寛容度、②銀行のデジタル活用力の弱さ、③既存システム・テクノロジーの費用負担、④ハンコなどの既存のビジネス文化・慣行に整理されるが、①~③については、顧客接点となるチャネルと、ミドルバックシステムに次世代技術を活用して、顧客体験(UX)を高めることで、デジタル化に向けた課題を克服できる可能性がある。

具体的に、UXの向上に資する技術進化やトレンドを挙げると以下の通り。
①入出力インターフェース進化
ジェスチャーや視線等の非言語による入力技術をインターフェイスに組み込むことで、誰でも、どこでも簡単にデバイスが操作可能になる。また、VR/ARやデジタルヒューマンなど、その場にいるような感覚となる出力技術を組み込むことで、リアル(対面)とデジタルのチャネル間の溝を埋めることができる。
②デバイスの多様化と機能分散
デバイスの多様化に合わせて、金融機関が、多様なデバイスを通じてサービスを提供すれば、顧客が状況に応じてデバイスを自由に選択でき、デジタルの利用可能性が一段と高まる。
③シームレス化
多様化するデジタルチャネル間の連携が不十分であることによる顧客の利便性低下を回避するため、金融機関は、チャネルを跨ってシームレスで一体感があり、摩擦のないUXを提供することが重要。
④パーソナライズ化
デジタル技術を活用して、一人ひとりに合わせたきめ細かいサービスを提供するパーソナライズ化が必要。
⑤プラットフォーム化
個人や中小企業の様々なデータを集約・蓄積するプラットフォームとなり、データ分析を通じて、顧客に最適な金融サービスを提供するほか、非金融サービスの提供にも繋げることができる。

金融業のデジタル化を進展させるためには、行政手続きや法改正による「押印」文化からの脱却等に加えて、VR/ARやIoT、AIなどの次世代技術の活用が有効である。金融機関は、上記の技術進化のトレンドを注視し、積極的に業務に取り込んでいく必要がある。

金融業のデジタル化に向けた次世代技術の活用 ~高度なUX実現による課題克服へ~(PDF:2324KB)
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