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リサーチ・アイ No.2020-028

年後半の中国経済は回復ペースが鈍化~在庫調整、外需の停滞、所得不安が重石に~

2020年07月20日 関辰一


中国の4~6月期の実質GDPは前年同期比+3.2%とプラス転換(図表1)。工業生産が早くも4月から前年同月比+4%程度の増加に転じており、供給の急回復が成長率を牽引した格好(図表2)。一方、需要側の統計をみても、輸出、小売売上高、固定資産投資が持ち直し。

近年、企業活動に対する政府の影響力が高まるなか、中国政府による経済活動の再開指示を受け、企業が操業を急いで再開。その結果、2月に仕事を失った出稼ぎ労働者約5,000万人のうち約3,500万人は職場に復帰。社会保障費の減免や企業への銀行融資拡大などもあいまって、企業倒産の急増、雇用悪化、消費減少という負の連鎖を回避。もっとも、生産増に需要が追い付いていないため、在庫が大きく積みあがり(図表3)。

今後を展望すると、在庫調整が工業生産の足かせに。加えて、世界経済の停滞によって、輸出は再び減少に転じる見通し。さらに、家計や企業は所得不安を払しょくできず、個人消費・設備投資の回復力は脆弱。実際、収入見通しDIは過去最低水準(図表4)。民間企業も資金繰り難に直面しており、総じてみると設備投資に慎重。年後半の景気回復ペースは鈍化する公算大。


年後半の中国経済は回復ペースが鈍化~在庫調整、外需の停滞、所得不安が重石に~(PDF:256KB)
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