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リサーチ・フォーカス No.2020-010

新型コロナ後にばらつきが広がる新興国経済と求められるわが国の対応

2020年07月06日 牧田健


新型コロナ感染拡大を機に、新興国に対する成長期待は著しく低下している。そこで、かつて先進国と大差なかった新興国の成長率が2000 年以降顕著に高まった背景を探ると、中国経済の高成長持続に加え、それに伴う資源需要増大とその価格高騰、中国を中心とするサプライチェーンの構築と貿易取引活発化により、新興国全体の成長率が高まったことが指摘できる。

新興国経済をけん引してきた中国経済は、人件費高騰によりすでに輸出主導の成長が困難になったほか、今回のコロナ禍を契機とする欧米経済の大幅な悪化、米国をはじめとする主要国との対立激化により、先行き輸出は増勢が一段と鈍化すると見込まれる。「中所得国の罠」に陥らないとしても、過去の多くの国の経験に則れば、今後平均的な成長ペースが4~5%に低下しても不思議ではない。

中国経済の減速に伴い、資源需要の増勢鈍化とその価格低迷、貿易取引停滞が見込まれ、中国を除く新興国も成長鈍化が避けられない。もっとも、その度合いには濃淡が表れる見込み。ブラジルをはじめとした資源国は、輸出の中国依存度が高く、資源価格が低迷する局面で景気下振れ度合いが大きくなる傾向がある。それに対し、ASEANをはじめとした製造業のウエイトが大きい国では、飛躍的な上昇は期待できないものの、大幅な落ち込みも回避される可能性が高い。また、後者は脱中国の受け皿として対内直接投資の増加も期待され、相対的に底堅い成長が続くと見込まれる。

世界的に自国第一主義が蔓延するなか、わが国は内需を底上げしていく必要があるが、人口が減少するもと、外需の取り込みも欠かせない。こうした状況下、米中対立を踏まえ、とりわけASEANでの需要獲得に改めて注力していく必要がある。近年、ASEANにおけるわが国の存在感は著しく低下しているが、CPTPPを活用していくことで、成長地域の一つであるASEANの成長の果実を積極的に享受していくことが望まれる。

新型コロナ後にばらつきが広がる新興国経済と求められるわが国の対応(PDF:782KB)
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