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リサーチ・アイ No.2019-062

2020年の中国経済はマイナス成長へ~最悪期は生産活動がほぼ停止、先行き国内感染対策の持続と外需の縮小が下押し~

2020年03月18日 関辰一


新型コロナウイルスが世界的に拡大するなか、今般、中国の成長率見通しを大幅下方修正。1~3月期は前年同期比▲10.0%と2ケタのマイナスになり、2020年通年では前年比▲0.3%と44年ぶりのマイナスになると予測(図表1)。新型コロナによって、成長率は1~3月期に16.1%ポイント、通年では6.4%ポイント下振れすると判断。

2月前半まで、中国政府は市民の移動や外出、建設工事、工場の操業や店舗の営業を全国規模で抑制。これらの結果、小売売上高、固定資産投資、工業生産は、いずれもリーマン・ショック時を遥かに超える下振れ(図表2)。累計感染者数が全国の1.7%であり、武漢から遠く離れている広東省でさえ、1月末から2月10日まで企業の生産活動はほぼ停止(図表3)。他の省も同じく、最悪期には工場の操業や店舗の営業がほぼ停止していたと判断可能。

4~6月期以降、成長率は持ち直す見通し。すでに中国政府は国内での感染拡大はピークアウトしたと判断し、経済活動の再開を指示。この結果、操業・営業を再開する企業が急増。ほぼすべての主要都市において、人の往来も回復傾向(図表4)。

もっとも、経済活動の急回復は期待薄。現在も鉄道乗客間の間隔規制や飲食店の営業規制などの感染対策は残存。操業・営業再開した企業もフル稼働からほど遠く、出歩く人数も平時の水準には至らず。さらに、外需の縮小が中国経済を下押し。世界における新型コロナの終息は現時点で6月と想定しており、年末頃までその悪影響が残る見通し。


2020年の中国経済はマイナス成長へ―(PDF:302KB)
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