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リサーチ・フォーカス No.2019-033

株価が示唆する半導体市場の先行き-5G 主導で反転の動き、しかし過剰投資のリスクあり-

2019年11月28日 野木森稔


半導体市場の先行きを占ううえで注目されるフィラデルフィア半導体株指数が大きく上昇している。半導体需要の低迷は世界景気減速の一因であったが、半導体需要が回復に向かうことになれば、2020 年の世界景気の押し上げ要因として期待される。

もっとも、製品ごとに分けてみると、株価に好不調の差がある。具体的には、生産調整が深刻な「メモリ」は軟調、「非メモリ」は持ち直し傾向、「製造装置」の株価は大幅に上昇している。製造装置の株価が好調に推移している背景には、5G 需要に対応するため、半導体メーカーが設備投資を積極化させていることがある。

このように、半導体設備投資が積極化する一方、半導体出荷にははっきりとした力強いサインが見られない。こうした動きから推測すると、半導体メーカーの間で5G 需要にやや過大な期待が生まれている可能性がある。5G 市場は大きなポテンシャルを持つ市場であることは間違いないが、現在のところ、本格的なスタートには時間を要する状況である。半導体メーカーが期待するほど5G 市場が急ピッチで立ち上がらない場合、半導体市場は供給超過に陥るリスクがある。当面、半導体需要は一定の回復が見込まれるが、需要一巡後は需給バランスが大きく崩れるリスクに注意する必要がある。

株価が示唆する半導体市場の先行き-5G 主導で反転の動き、しかし過剰投資のリスクあり-(PDF:1270KB)
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