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JRIレビュー Vol.10,No.71

【特集 外国人材の望ましい受け入れに向けて】
2章 「人手不足と外国人採用に関するアンケート調査」結果-受け入れ拡大に多くが賛成も、制度の改善・国内人材の活用支援の要望

2019年11月28日 下田裕介


新たに設けられた在留資格により、企業における外国人の受け入れを拡大する新制度が2019年度から始まった。これに先立つ2019年1~2月に、弊社は「こうした取り組みを、長期的視点から有効な人手不足対策にするとともに持続的な外国人活躍につなげるには、どのような在り方が望ましいのか」という問題意識から、人手不足や外国人材活用の現状、企業の意識を広く把握すべく、独自の企業向けアンケート調査を実施した。

人手不足の状況について、8割弱の企業で若手・中堅層を中心に人手が足りず、3割がほぼ全年齢層で人手不足と回答している。人手不足への対応として、企業は人材育成が中心だが、女性やシニアと同様に外国人の活用も重視している。

外国人の採用・活用は大企業が中心だが、留学生アルバイトなど専門的・技術的分野以外では、中小企業にも前向きな姿勢がみられる。採用の中心年齢は34歳以下の若手で、小売業、宿泊業、飲食業でその傾向が顕著である。国籍は、かつての中国中心から、ベトナム、フィリピン、ネパールなど他のアジア諸国にも広がっている。

外国人を採用・活用する理由として、人手不足の強まりを指摘する企業が多いほか、外国人の能力や人柄、インバウンドへの対応なども挙げられている。実際の採用においては、人物・人柄や日本語能力を考慮するが、2割弱の企業は人手不足で国籍・能力にかかわらず採用する姿勢を示している。

外国人労働者の賃金は、8割弱の企業が日本人と同等の水準としている。また、収益が改善傾向にある企業ほど、賃金を最低賃金と同程度に設定する割合は低い。研修・教育制度は、大企業で手厚い傾向にある一方、中小企業では日本語研修を義務付けるケースが相対的に多い。

8割弱の企業は外国人労働者の活躍に満足している。一方、コミュニケーションや限られた雇用期間などが課題として挙げられている。2割の企業は、今後の外国人採用は基本的に自助努力での対応を考えているが、人材獲得競争の激化が見込まれるなか、国が相応のコストを負担すべきと考える企業も同程度ある。

外国人の受け入れ拡大について、多くの企業が賛成とみられるものの、その具体的な推進にあたって、不満や要望も多い。外国人材の活用以外での人手不足への対応にも注力してほしいとの声も根強い。外国人材の活用を有効なものとし、人手不足を和らげるためには、受け入れ制度の改善・修正のみならず、国内人材の活用、生産性向上、国籍を問わない処遇改善など、多方面での取り組みが必要といえる。
2章 「人手不足と外国人採用に関するアンケート調査」結果-受け入れ拡大に多くが賛成も、制度の改善・国内人材の活用支援の要望(PDF:4170KB)
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