リサーチ・アイ No.2019-033
消費増税前の耐久財消費の動向―駆け込み需要は前回増税時の半分 ―
2019年11月01日 室元翔太
本年10月の消費増税を前に、耐久消費財への駆け込み需要が発生。9月の販売動向(前年比)をみると、家電では前回増税時を上回ったほか、自動車でも前回増税時並みの伸びに。
もっとも、今回の駆け込み需要は前回よりも期間が短く、増税直前の1ヵ月間に集中。四半期ベースの伸びをみると、前回増税時と比べ、家電は6割程度、自動車は4割弱と、盛り上がりは限定的。
今回の消費増税における耐久消費財の駆け込み需要の規模を試算すると、6,200億円程度と、前回増税時の半分程度にとどまったとの結果に。これは、国内家計最終消費支出の0.2%程度と小さいため、今後生じる反動減による消費の落ち込みも軽微にとどまる見込み。
加えて、主要耐久財の買い替えサイクルの観点からも、消費低迷の長期化は避けられると判断。自動車では、2012年のエコカー補助金や前回増税前の駆け込み購入分が近く平均使用期間を超えるほか、白物家電やテレビなどの家電製品でも、10年前の家電エコポイント制度による購入分が買い替え時期を迎えつつある状況。これらのストックの買い替えが、今後数年間かけて進むことで、消費を下支えする見込み。
消費増税前の耐久財消費の動向―駆け込み需要は前回増税時の半分 ―(PDF:277KB)