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リサーチ・フォーカス No.2019-017

最後の成長フロンティアとしてのアフリカ―日本企業はいかに進出していくべきか―

2019年08月30日 石川智久


8月28~30 日に7 回目となるアフリカ開発会議(TICAD)が横浜で開催された。日本では一般的に、アフリカ諸国に対して、「援助」対象の発展途上国としてみる人々が多い。しかし、今回のTICAD ではアフリカを「グローバル経済の最後の成長フロンティア」と捉え、「投資・貿易のパートナー」とする議論が目立った。TICADを主導している日本としては、アフリカの課題にも留意しながら、将来の成長に向けて議論を深め、そこに日本ならではの協力をすることで、アフリカ市場への開拓を果たしたいという意向が示された。

かつてアフリカが注目される理由の第一は豊富な天然資源であった。しかし、最近は従来とは異なり、スタートアップ企業の増加、ビジネス環境の整備、2100 年まで増え続ける人口といった将来性の高さが注目されている。

こうしたなか、アフリカ進出を加速する国が増加。とりわけ、貿易やインフラ整備支援等で中国の存在感の高まりが顕著。また、ロシアは貿易金額が小さいものの、政治的・外交的に着実に関係を深めつつあり、静かに浸透していく「したたかさ」がみられる。こうした両国に対して、米国が危機感を著しく高めている状況。翻ってわが国は、進出企業が着実に増加していることは評価出来るものの、ダイナミックなアプローチを取る各国と比べると総じて動きが緩慢という印象は否めない。

アフリカではビジネス環境が整いつつあり、その将来性についても世界的に期待が高まっているため、日本企業も進出を真剣に検討すべきマーケット。もっとも、日本企業はこれまでアフリカとは縁が薄く、単独で進出することが簡単ではないことも事実。こうしたなかでは、政府や実績ある企業の協力を得て進出することがリスクを抑える観点から重要。

TICAD は3 年後にアフリカで、6 年後の2025 年には日本で開催される。2025 年は大阪・関西万博の年でもある。それぞれが相乗効果を得て盛り上がるよう、万博とTICAD の連携等も検討すべきテーマといえよう。

最後の成長フロンティアとしてのアフリカ―日本企業はいかに進出していくべきか―(PDF:539KB)
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