Business & Economic Review 2011年8月号
【特集 2011~2012年世界経済改定見通し】
アジア経済見通し-インフレ抑制を図りながら安定成長をめざす
はじめに
世界経済後退の影響によりアジア諸国では2008年秋口以降輸出が急減し、景気が悪化したが、各国政府の景気対策に支えられて2009年春先に持ち直しに転じた。とくに中国における積極的な内需拡大策の実施に伴い対中輸出が急回復し、年半ば以降回復傾向が強まった。その後、世界経済の回復に伴い輸出の増勢が強まるとともに、所得・雇用環境の改善に支えられて消費が拡大したため、2010年前半は極めて高い成長となった。同年半ば以降は、総じて安定成長へ移行している。