Business & Economic Review 2011年8月号 【特集 2011~2012年世界経済改定見通し】 欧州経済見通し 2011年07月25日 牧田健1.足許の経済・金融情勢─PIGS諸国は低迷も、ドイツが景気を牽引─ユーロ圏経済は、2011年春にかけて緩やかな持ち直しが続いた。ユーロ圏の2011年1〜3月期実質GDPは、前期比年率+3.4%と2010年4〜6月期以来の高成長を記録した。2010年末に欧州全域を襲った寒波の反動に加えて、新興国向けを中心に輸出が高水準で推移した。国別にみると、ポルトガルが2四半期連続でマイナス成長となるなど、財政悪化により緊縮財政を余儀なくされているPIGS諸国(ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペイン)は景気低迷が続く一方、ドイツが同+6.1%と高成長となり、ユーロ圏景気を牽引した。