リサーチ・フォーカス No.2026-056 気候変動問題の現状とCOP31の注目点 ー 強まる逆風、国際社会は具体的な対策に踏み出せるかー 2026年10月21日 大嶋秀雄本年11月9日から、トルコのアンタルヤにて、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第31回締約国会議(COP31)が開催。議長国トルコは「実施のCOP」を掲げ、約束から実施に移すことを目指す。気候変動の現状をみれば、人為的な温室効果ガス(GHG)排出による温暖化が進み、各地で熱波・風水害等の被害が拡大。さらに温暖化が進めば、被害が一段と深刻化する恐れ。こうしたなか、国際社会では、2015年のパリ協定採択から10年を経て、各国目標設定・ルール整備等は進展したが、具体的な対策の実施は遅れており、GHG排出量は依然として増加傾向。近年、気候変動問題を取り巻く環境は大きく変化。焦点が具体策にシフトするなか、各国の置かれた状況の違いから国際交渉は難航。企業でも資金・コスト・技術・人材等の具体的な課題に直面。加えて、世界の分断化による国際連携の不調や、インフレ・高金利による投資環境の悪化など金融・経済面の逆風も。さらに、各国政府は目先のインフレ・景気対策等を優先し、環境政策の優先度は低下しがちに。気候変動対応への逆風は強まっているものの、対応が遅れるほど悪影響は深刻化するため、COP31では、具体策の“実施”に向けた議論を進める必要。(1)パリ協定の実効性向上:新たな各国目標(NDC)検証、NDC達成に向けた施策の加速。(2)緩和策の具体化:「化石燃料からの移行ロードマップ」の具体化や緩和作業計画の継続、「公正な移行メカニズム」の制度設計。(3)適応策の促進:適応の世界目標(GGA)の合意、適応資金支援強化の仕組み作り。(4)具体策の目標設定:電化の促進や循環経済、都市・建物の気候変動対策など、具体策に関する定量的な目標設定。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)