リサーチ・フォーカス No.2026-028 東京の住宅価格高騰と持続可能な都市政策―ジェントリフィケーション問題の克服を目指して― 2026年07月29日 西岡慎一東京では住宅価格が高騰し、住宅負担は国際的にも高水準に達している。その背景には、コロナ禍以降の経済構造の変化がある。①円安・低金利などを通じた世界的な価格上昇の波及、②資材価格・人件費の上昇、③産業構造の変化が価格を押し上げている。とくに、東京では高付加価値サービス業の集積が高度人材を呼び込み、住宅需要の拡大につながっている。こうした状況が続くと、中低所得層が都心から周辺部へ押し出されるジェントリフィケーションが進行し、エッセンシャルワーカーの職住近接の困難や社会的分断といった問題を招く可能性がある。こうした課題に対応するためには、若年層や子育て世帯をはじめ、多様な所得階層が居住できる都市構造の実現を目指す必要がある。そのためには、マクロの観点から多極集中型の都市政策を推進し、地方コア都市への人材や企業の集積を促進する必要がある。住宅市場においては、高齢世帯の住み替え促進などを通じて市場の流動性を高め、若年層や子育て世帯の住宅取得機会を拡大することが重要である。さらに、アフォーダブル住宅の供給拡大に向けて、土地・財源・開発を一体的に設計する投資・回収のエコシステムを構築し、持続可能な住宅供給の仕組みを確立することも求められる。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)