ビューポイント No.2026-013 衰退に向かっているのは米国か?中国か? 2026年06月30日 枩村秀樹、佐野淳也中国が強国化路線に自信を深め、「米国は衰退しつつある国、中国は発展しつつある国」という世界観を持つようになった。 しかし、ここ数年の世界GDPに占めるシェアをみると、米国が上昇、中国が低下という、中国側の認識とは異なる動きになっている。この原因は、中国の実質GDPが落ち込んだたからではなく、デフレによって名目GDPが下振れたこと、元安によってドル建てGDPが下振れたこと、の2点である。 中国政府は、デフレと元安への対応を採り始めたものの、強い危機感に裏打ちされた方針転換とは言い難い。デフレ対応は力不足感が否めず、積極的な元高誘導姿勢もみられない。 中国における政策決定は習近平総書記のトップダウンで行われるため、デフレ解消や元高転換に向けた明確な指示が下りていないことが示唆される。この理由として、部下が忖度して習近平総書記に正しい情報を伝えていない、そもそも習近平総書記がデフレと元安を問題視していない、という二つの可能性が考えられる。 現状のままだと、衰退に向かうのは米国ではなく中国であり、習近平総書記が目指す強国化の夢は実現しない可能性が高い。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)