リサーチ・アイ No.2026-013
新興国への証券投資の拡大と金融リスク~ ノンバンク金融機関(NBFI)による新興国への証券投資の拡大は金融リスクを増幅 ~
世界金融危機以降、新興国への証券投資は非居住者ノンバンク金融機関(NBFI)を中心に大きく増加。国際通貨基金(IMF)は、本年4月に公表した国際金融安定性報告書(GFSR:Global Financial Stability Report)のなかで、証券投資の増加について、新興国金融市場の発展を支える一方、先進国金融市場の不安定化が新興国に波及するリスクを指摘。
具体的に、NBFIはストレス時に資金を早期に引き揚げる傾向があり、対内証券投資への依存度が高い新興国では、資産価格や通貨の下落を通じて、金融システムの安定性が損なわれるリスクあり。また、こうした資金フローの逆流によって、発行体の起債条件が悪化し、資金調達が困難に。結果として、企業の負債残高や設備投資が減少し、実体経済の下振れリスクが増大。
ストレス局面におけるNBFIの行動は一様ではなく、投資ファンド(投資信託など)やヘッジファンドは、大規模に資金を引き揚げる傾向。さらに、投資ファンドではパッシブ型やETF型のファンド、ヘッジファンドではレバレッジを活用するファンドにおいて、ショックに対する反応がより顕著。
以上を踏まえ、IMFは、各国の金融セクターや当局に対して、新興国の証券市場に係るリスク管理強化の必要性を指摘。具体的に、資本フローの逆流を想定したストレステストの実施に加え、新興国市場への資本フローの総量や投資家層の構成、ヘッジやレバレッジの利用状況といった、NBFIの属性を捉えた監視・監督を強化することが重要に。
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