リサーチ・アイ No.2025-153 「金利ある世界」で広がる家計間格差 ― 的をしぼった物価高対策が急務 ― 2026年03月18日 小方尚子足元では、物価上昇が続くなかでも、家計の消費は全般的に底堅さを維持。この背景には、①雇用者所得の増加と②財産所得の増加が指摘可能。雇用者数の増加と賃金の上昇を受けて、実質雇用者所得は増加。財産面では、家計部門の利子収入が増えているほか、株式の評価益も拡大。もっとも、世帯間の格差は拡大する傾向。雇用所得環境については、世帯間でバラツキ。実質所得は、主要企業の正規雇用者(全就業者に占める割合:12%)で目立って増加しているものの、その他多くの企業では伸び悩み。利子収入についても、最低グループ(39歳以下の下位20%)と最高グループ(60歳以上の上位20%)の差額は2021年の年間700円弱から足元では約12万円に。株式評価益についても、貯蓄高下位20%の世帯のみ、物価上昇による負担増を下回る状況。このように消費下支えの要因が偏在するなか、現在、検討されている一律の食料品の消費減税の実施は、消費額の多い富裕層ほど恩恵が大きく、格差拡大を助長する可能性。「金利ある世界」では、給付付き税額控除制度の導入など、物価上昇の負担が重い低所得世帯に的をしぼった物価高対策が急務。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)