リサーチ・アイ No.2025-137
わが国企業の在米法人、トランプ関税下でも底堅い収益 ― 米国の堅調な需要から売上は増加、本社が関税負担を吸収している可能性も ―
2026年02月09日 藤本一輝
わが国企業の米国法人の業績は底堅く推移。日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によると、米国に進出する日系企業のうち、2025年の営業利益が黒字見込みである割合は66.5%と、前年(66.2%)並みの良好な収益環境。トランプ関税が発動された2025年春ごろには、①米国景気の減速、②輸入原材料の調達コスト上昇を受けて、現地法人の収益は悪化すると懸念されたものの、現時点では顕在化せず。その要因は以下2点。
第1に、売上の増加。経済産業省「海外現地法人四半期調査」によると、北米の現地法人の売上高(ドル建て)は2025年4~6月期、7~9月期にそれぞれ前年比+3.7%、同+6.5%と増勢を維持。その背景には、米国の消費の堅調さ。株高による資産効果などを支えに、高所得者層の支出が全体をけん引。たとえば、わが国自動車メーカーでは、ハイブリッド車、SUV(スポーツ用多目的車)や大型車といった、高価格帯の商品で販売が増加。
第2に、一部企業では、本社がコスト面で調整を行い、関税の影響を吸収している可能性。関税引き上げ後、わが国の米国向け輸出価格は低下。2025年夏の関税交渉合意後には、これまでの様子見姿勢を転換し、輸出価格を戻す動きがみられたものの、価格を下げたままにとどめる企業も。関税は原則として輸入価格を基に計算されるため、マージン調整を通じて関税コストの帰着先が本社側に移る可能性。こうした対応は移転価格税制の枠内で行われることが前提となるが、現地法人の収益を安定させる上では合理的となる場合も。
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