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リサーチ・フォーカス No.2025-056

なぜ2025年のわが国景気は底堅かったか ― 予想外に良好な外部環境と企業行動の変化が下支え役に ―

2026年01月16日 松田健太郎藤本一輝


足元にかけてわが国景気は緩やかな回復基調を維持している。2025 年4月に発動したトランプ関税がわが国の輸出や設備投資を下押しすることで景気が減速に転じるとの見方が大勢であったが、その懸念は2025 年中には顕在化しなかった。

景気が想定外に良かった背景の一つとして、わが国経済を取り巻く外部環境が持ち堪えたことが挙げられる。人工知能(AI)関連の需要拡大にけん引されて、米国をはじめとする世界景気は底堅さを維持した。さらに、為替が円安水準で推移したことが製造業の収益を下支えしたほか、原油安がコストを引き下げたことも、トランプ関税による景気への打撃を緩和した。

加えて、供給制約下での企業行動の変化も景気を下支えした。物価上昇に伴い企業の売上高や営業利益が伸びやすくなるなかで、企業部門の景況感は改善傾向を維持し、景気の腰折れを防いだ。加えて、人手不足に対応するための省人化・省力化投資、AI関連をはじめとする成長分野への投資、必要不可欠な設備の更新投資など、景気動向に左右されにくい構造的な投資が実施された。

以上の要因を踏まえると、今後のわが国景気を見通すにあたっては、①AI関連をはじめとする構造的・循環的な財需要の変動を見極めること、②国内外の経済環境が大きく変化するなかで、家計や企業のマインドの形成過程に変調が起きている可能性を踏まえて、マインド指標の動向を慎重に判断すること、③省人化・省力化投資や更新投資といった景気動向に左右されにくい構造的な投資需要が高まりつつあることを意識すること、が求められよう。加えて、人手不足をはじめとする供給面の制約が一段と強まることで、底堅い需要が景気回復に結びつかない可能性にも注意が必要である。


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