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JRIレビュー Vol.1, No.128

欧州経済見通し

2025年12月26日 立石宗一郎、中井勇良


足元の欧州経済は持ち直している。アメリカによる関税政策や欧州企業の競争力低下に伴う外需の減速が製造業を下押ししているものの、賃金の上昇や物価の安定に支えられた家計消費が景気を押し上げている。国別に見ると、ドイツ経済の不振が続いているが、堅調なスペイン経済が全体をけん引している。

当面のユーロ圏経済は緩やかに回復する見込みである。底堅い内需が全体を下支えするほか、スペイン経済も引き続き景気をけん引すると予想する。これに加え、ドイツを中心とした財政拡大が公共投資を通じて運輸サービスやエネルギー・防衛産業などの生産活動を活発化させるとみる。

イギリス経済は減速している。外需の減速や緊縮的な財政政策から、企業の投資・採用意欲が低下していることが背景にある。軟調な雇用・所得環境を受けて家計消費の持ち直しも足踏みする見通しである。先行きの景気は当面減速するものの、世界経済の持ち直しやイングランド銀行(BOE)の利下げにより、2026年半ばには緩やかに持ち直す見通しである。

こうしたメインシナリオに対して、当面のリスクは域内外の政治情勢である。域外ではアメリカとの貿易摩擦が激化し、対米輸出関税が引き上げられる可能性がある。また、域内ではフランスの政局混乱の長期化で金利が高騰し、企業業績や財政を圧迫する恐れがある。さらに、ドイツでは、2026年に実施が予定されている地方選挙で極右勢力が伸長すれば、移民排斥の機運が高まり、労働供給力の低下につながる可能性もある。


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