JRIレビュー Vol.1, No.128
日本経済見通し
2025年12月26日 松田健太郎、藤本一輝、古宮大夢
先行きの日本経済は内需主導で緩やかに回復すると予想する。個人消費や設備投資が底堅く推移するなか、足元で弱含んでいる輸出も底打ちする見通しである。世界的なAI需要の強さを受けて半導体関連輸出が増加するほか、各国の緩和的な財政・金融政策により世界景気が持ち直すことも輸出を押し上げると見込む。
輸出の弱さなどにより企業収益が下押しされるなかでも、企業は設備投資や賃上げへの積極姿勢を維持する公算が大きい。多くの企業で省力化やDX化といった中長期的な課題解決に向けた投資が旺盛であるほか、人材確保に向けた賃上げにも前向きである。
良好な雇用所得環境が続くなかで、個人消費は緩やかに増加する見通しである。労働供給の拡大余地に陰りがみえるなかで雇用の増勢は鈍化するものの、高めの賃上げや、エネルギー・食料を中心とした物価の落ち着きが、家計の購買力を押し上げると見込む。
上記のメインシナリオでは、供給制約は限定的にとどまると仮定している。もっとも、高市政権の掲げる政策が需要を過度に刺激する場合や、わが国の食料供給の脆弱性や外国人労働者の流入減により供給力が弱まった場合には、供給制約が強まるリスクがある。これにより、物価が高進するほか、人手不足などにより企業活動が停滞する恐れがある。
供給制約やインフレ高進を乗り越えるためにも、政府・日銀は過度に緩和的な政策スタンスを避け、供給力の強化や金融政策の正常化に注力する必要がある。加えて、なし崩し的な外国人労働者の受け入れを改め、わが国としての「外国人政策」の大きな方針を示すことも、国民からの理解を醸成しながら、人口減少下の成長ビジョンを策定するうえで重要になる。
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