リサーチ・アイ No.2025-120 米国のAI株高は当面持続する見込み ― ドットコム・バブルと構造的に異なる現在の株高 ― 2025年12月18日 森田一至米国では、旺盛なAI需要を追い風に、情報通信産業が株価をけん引。情報通信産業の株価が全体に占める割合は、インターネット関連企業の株価が乱高下した2000年前後のドットコム・バブル期と同水準まで上昇。これを受けて、AIバブルが発生しているとの警戒感が高まり。もっとも、ドットコム・バブル期と今次局面では、株高の要因が相違。ドットコム・バブル期は、市場参加者の成長期待を反映する予想PER(株価収益率)の上昇が株価をけん引。一方、今次局面では、企業業績を反映する予想EPS(1株当たり純利益)の上昇が株価を押し上げており、市場では今後も企業収益が高まるという見方が大勢。情報産業の企業業績が今後も堅調に推移する場合、米国の株高は当面の間持続すると予想。米国では、AIを積極的に業務に導入している業種ほど収益の伸び率が高い傾向。今後、収益性や生産性の改善に向けて幅広い業種でAIの導入が進むならば、情報産業の業績拡大や株価上昇が持続する公算大。アンケート調査でも、企業はAI導入に対して高い意欲を示唆。ただし、現在の大規模なAI投資がコスト先行となり情報産業の収益化が遅れる場合や、AI利用企業の生産性向上や収益改善への期待がはく落した場合、株価が大きく下落する可能性。(全文は上部の「PDFダウンロード」ボタンからご覧いただけます)