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リサーチ・アイ No.2025-068

ベトナム株価指数が過去最高値を更新 ― 国内外資金の流入加速、過熱感の高まりには要警戒 ―

2025年07月31日 呉子婧


7月28日、ベトナム株式指数が史上最高値を更新。年初来の騰落率は+22.7%と、東南アジア主要国の中で最も高い伸び。その背景として、以下の2点が指摘可能。

第1に、ベトナム景気に対する楽観的な見方の高まり。①米越関税合意(関税率:46→20%)、②4~6月期の経済成長率の上振れ(実質GDP:前年比+8.0%)、③FTSEがベトナムの市場分類を「フロンティア市場」から「新興国市場」へ格上げするとの観測、④大型インフラ計画に向けた民間資本参入の解禁(電力や南北高速鉄道)、⑤サプライチェーン移転への期待といった要因が、投資家マインドの改善に寄与。

第2に、国内外投資家の参入拡大。近年、新規の国内個人投資家が急増。ネット証券の普及や手数料引き下げなどの販売促進策を追い風に、証券口座数は過去5年で約5倍に増加。2025年の政府目標を前倒しで達成しており、2030年目標の早期達成も視野に。外国人投資家も、売り越しから買い越しに転換。長年外国人投資家の参入障壁となっていた資金準備義務が昨年11月に撤廃された効果が、米国関税を巡る不透明感緩和をきっかけに発現。

もっとも、テクニカル面では高値警戒感も。相対力指数はすでに「買われ過ぎ」水準を超過しており、短期的には調整売り局面が避けられない見通し。株式市場への新規参入組が急増するなか、急激な価格変動で損失が膨らみ、先行きに対する不安が一気に高まるリスクには要注意。


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