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リサーチ・アイ No.2025-043

韓国景気は底打ちも、回復ペースは緩慢に ― 新政権による追加補正予算も景気浮揚には不十分 ―

2025年06月20日 室元翔太


韓国景気は底打ちの兆し。景気動向指数は、本年2月以降上昇が継続。もっとも、内外需ともに先行きの悪材料が散見され、景気の本格回復には時間を要する見通し。

外需は、トランプ関税の影響で主力製品の輸出が停滞する見込み。韓国の対米輸出品には、自動車など個別品目関税の対象となる割合が大。とくに、自動車には一律25%、鉄鋼には50%の高税率が課されており、対米輸出は4~5月にかけて前年割れで推移。トランプ大統領が自動車関税率の引き上げを示唆するなど、さらなる下振れリスクも。半導体は現時点で関税の対象外だが、今後発動される可能性。本年秋以降、Windows10のサポート切れによるPC向けメモリ需要の減少も相まって、輸出は大きく下押しされ見込み。

内需の回復も鈍い可能性。景気低迷の主因である建設投資は、受注回復を受けて年後半の底打ちを見込むものの、建築費の高止まりや住宅ローン規制の強化により、景気を浮揚させるほどの力強さは期待できず。外需の悪化による製造業の業況悪化が雇用・所得環境や設備投資意欲の重石となり、消費や設備投資は緩慢な回復にとどまる見込み。

こうした中、李在明大統領率いる新政権は早くも第2次補正予算を策定。消費クーポンの配布などが中心で、追加支出分は総額20.2兆ウォン。予算規模はGDP比0.9%程度と相応の規模ながら、消費者への移転支払いは景気浮揚効果が小さく、本格的な景気回復の起爆剤には不十分。2025年の経済成長率は+0.6%と、コロナ禍以来の低成長を予想。


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