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リサーチ・アイ No.2025-033

米国以外との経済連携強化を模索するアジア ― 中国・ASEAN間のさらなる連携進展も、中国・インド間の関係強化は期待できず ―

2025年05月30日 細井友洋


アジア主要国・地域は米国との関税引き下げ交渉を進める一方、アジア内外との経済関係強化を推進。保護主義に走る米国以外の国・地域との貿易・投資を拡大することで、対米依存リスクを低減させつつ、経済活性化を図るねらい。

中国は、ASEANとの貿易・投資拡大に注力。4月以降各国との首脳級会談を繰り返し実施。貿易結合度(二国間の貿易における緊密度を測る指標)を見ると、中国・ASEAN間の貿易結合度は2016年から2023年にかけて上昇。中国からASEANへの対外直接投資も同期間で1.6倍に。昨今の中国のASEANに対する積極姿勢を受け、両地域の経済は今後一層緊密化する見通し。

ASEANは、中国との関係強化のみならず、地域内での連携も推進。2045年に向けた地域統合計画を策定し、高度人材の域内移動や脱炭素技術の導入協力などを盛り込んだほか、加盟国の拡大(東ティモール、パプアニューギニア)も企図。

インドは、主要な貿易相手である欧州との経済連携を志向。5月に英国との自由貿易協定(FTA)を締結したほか、年内のEUとのFTA締結を目指して交渉中。

もっとも、アジア経済の統合進展は中国・ASEANなど一部に限定され、中国・インド間の経済連携は停滞する見込み。技術力・供給力に強みのある中国と、巨大な消費市場を持つインド間の貿易・投資関係が希薄なことが理由。安全保障面で対立する両国の関係は、インド・パキスタン関係の緊迫化によって不透明感が増しており、当面、経済面の連携強化は期待できない状況。


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